目の前の現実とは|脳の錯覚と思い込み

 

こんにちは、坂本塾の事務局、清水大輝です。今回は「目の前の現実」というテーマについてお話ししたいと思います。

「現実」って不変的なもの、絶対的なもの、と考えがち。でも、それが凄く不確かで変動的なものと言ったらどう思いますか?

 

まずはこの図を見てみて下さい。

右から2番目の縦線は中間の位置にありますが、
右に寄って見える
by  オッペル・クント錯視

 

これが脳が起こす錯覚。こうやって脳は現実を歪めて認識しています。

坂本塾を主催している坂本将一さんが学んでいる恩師の1人・メンタルトレーニングのパイオニアである西田文郎(ふみお)さんによると世の中には2種類の人しかいないのだそうです。

それは「肯定的錯覚の人」と「否定的錯覚の人」。それはどんな人かと言うと、以下。

 

肯定的錯覚の人:自分の力が平均レベルより優れているという「優越の錯覚」をしている。「きっとうまくいくと思い、仕事をする」傾向がある。
否定的錯覚の人:自分の力が平均レベルより劣っていると思い込み、「どうせ、無理だ」「そんなことできない」とあきらめてしまう。
引用

 

優秀な人や結果を残す人は、自分には必ず出来る、と信じています。これが肯定的な錯覚。

何かを目指すとき、必ずと言っていいほど困難や壁にぶつかります。しかし、肯定的な錯覚をしていると、「自分なら必ずできる」と信じて乗り越える事が出来ます。

困難な事が起こった時、それが肥しとなる出来事と捉えるのか、それとも自分には出来っこないと捉えるのかでは、その後の展開が大きく変わっていきます。

事実は変わりません。でも、どう捉えるのか、どう錯覚するのか、という話。

今回は、そんな錯覚について考えていきます。目の前の現実に対する捉え方が変わってきますよ!是非ご覧ください。

 

現実とは何か

まずは「現実」について考えてみたいと思います。「精選版 日本国語大辞典」によると「現実」という言葉は・・・

(空想、理想などに対して) 事実として目の前にあらわれているものごとや状態。また、現在、実際に存在していること。

この説明によると、「現実」というのは誰が見ても起こっている事実の事です。

 

えば、赤ちゃんが生まれた。これは紛れもない事実です。世界にとって1人の存在が増えた。それが事実

しかし、その事実に対して僕たちの解釈がそれぞれ変わります。

  • 生まれた赤ちゃんの両親はハッピー。
  • 赤ちゃんを取り上げた助産師さんは真剣なお仕事。無事に生まれてホッとする。
  • 出生に関する届け出を受理した役所の方は書類とのお付き合い。
  • 他の人は生まれた事実さえも認識をしていません。

 

このように、起こった「事実」に対して、それを「認識」すると、「解釈」が生まれます。

これが僕たち1人1人にとっての「現実」になります。

事実」と「現実」。言葉としてはこれはイコールだと考えられているのですが、実際の「現実」というのは僕たち1人1人の解釈の結果です。

だから、出来事があった時、その出来事に関わった人の数だけ「現実」が生まれるという事。

多くの方が「事実」と「現実」を混同しちゃっている。

から、「現実」って動かせないものだと思いがちなんですが、「解釈」は変えられます

まずは、脳が如何に間違えた情報を認識するのかをお話していきます。

 

錯覚|脳はだまされやすい

脳ってすごく精密な器官のように思いがちなんですけど、実はフルパワーで働いてしまうとすぐに餓死をするほどエネルギーを食ってしまう。

その為、脳は出来る限りサボろうとします。その結果、目の前の事実を曖昧に捉える事が多々あるんです。

えば、囲碁の白と黒の碁石って白の方が少しだけ小さく作られているって知っていましたか?

 

 

なぜかと言うと、白いものと黒いものを比較した時、白いものの方がやや大きく見える為。だから、白い碁石をやや小さく作ると丁度良く認識できる訳です。

他にも脳が錯覚を起こす図はたくさんあります。

 

ミュラー・リヤー錯視

こちらはミュラー・リヤー錯視という有名な錯視です。有名ですので、どこかで見たことがあるという方もいらっしゃると思います。

どちらの棒が長いと思いますか?

答えは想像がつくと思いますが、どちらも同じ長さです。脳の先っちょにどんな図形がくるのかで長さが変わって見えるんです。

 

カニッツァの三角形

こちらも有名な錯覚の図。

角が3つとパックマンの様な図が3つあるだけで三角形が浮かび上がって来ます。しかも、浮かび上がった三角形の部分は他の背景よりも明るく見えませんか?

そもそも脳はサボり気味、その為、脳は曖昧な情報を目にした時に手振れ補正機能のようなものがあって、自動的に補正してくれるんです。

それが錯覚を生み出します。

ココまでは「視覚」に関する錯覚をお伝えしましたが、これが「心」になると「思い込み」と表現されます。冒頭で紹介したような「解釈」を生むものですね。

次はその「思い込み」「解釈」というものを考えていきます。

 

「現実」とは思い込みである

 

先ほど、視覚はとても曖昧で、手振れ補正の様に自動で補正をする事で「錯覚」を起こす事をお伝えしました。「見ること」は、正確に目の前の現実を認識していない可能性がある訳です。

「見る」という行為は、皆が同じ光景を見ている様で居て、実は違うかもしれない。

こう考えるだけでも、僕たちが「絶対」だと思ってることが少しずつ揺らいでくると思います。

 

は「視覚」と同じように、僕たちの体に起こる変化も非常に曖昧です。

「プラシーボ効果」というものを聞いたことがあるでしょうか。

 

プラシーボ効果はプラセボ効果とも呼ばれる心理現象のひとつです。あるものを「本物」だと信じ込ませることで、精神的・身体的に効果が見られる現象のことを言います。
プラシーボ効果については、心理学的な実験や研究がなされてきた過去がありますが、なぜそのような精神的・身体的な効果が見られるのかという決定的な理由は、現在も解明されていません。
マイナビニュースより引用

 

この心理的な現象を利用すると、ただのビタミン剤を「病気に対して効果のある薬」と説明したうえで病人に投与すると、実際に身体的な症状が改善する効果が得られる場合があります。

ノンアルコールビールを飲んだら顔が赤くなり、酔ったような精神状態になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。これもプラシーボ効果。実際、僕もノンアルコールビールを飲んで酔っぱらったことがあります。

なぜプラシーボ効果が起こるのかについては、まだハッキリとした理由が分からないそう。一説では「条件反射」が関係しているとも言われています。

 

条件反射とは・・・
ある反射を起こさせる刺激と、それとは無関係な第2の刺激を同時に与えることを繰り返すと、ついには第2の刺激だけで初めと同じ反射を起こす現象。
引用

 

強く記憶に刻み込むことで、体や心が自然と反応する。人が「こうだ」と思い込む力はすごいパワーなんです。同時に、僕らの心や体の反応というのは、とても曖昧なものだという事。

 

ストレスも思い込みかも・・・?

 

ここでちょっと「ストレス」について考えてみたいと思います。「ストレス」とは、環境からの刺激によって生じた、悩みや緊張や疲労の状態のことを言います。

生きるという事はストレスを抱えるもの。

  • 自分は嫌われているのではないだろうか
  • 報道ではこんな風に言われていたけど・・・
  • 将来はどうなってしまうんだろう

などなど、不安な事を上げればきりがありません。でも、そのストレスや不安の原因は「脳の錯覚」かもしれません。「思い込み」と言うやつです。

なぜ、僕たちは「ストレス」を感じるのでしょうか。

それは「こうなったら嫌だなあ・・・」と思うからです。

目の前の出来事・事実に対してストレスを感じるのではなく、未来を慮ってストレスを感じる訳です。

これって条件反射と似ていませんか?

過去の記憶と結び付けて「こうなったらこうなるだろう」と感じ、それがストレスを生む。

 

 

この「こうなったらこうなるだろう」という思い込みこそが「解釈」です。僕たちが「事実」を歪めて認識しているフィルターであり、僕たちが「現実」だと思っているもの。

僕たちの「現実」は僕たち自身が創造している、という事です。僕たちが何かに苦しんでいるならば、それは僕たち自身が勝手に苦しんでいるだけ。

同じ「事実」が起こっても、Aさんは苦しいかもしれないけど、Bさんは苦しくないかもしれない。

このメカニズムが分かると、僕たちは永遠に過去の体験に苦しみ、過去の投影を未来に映し続けることが分かると思います。

 

 

この「過去の囚われ」から解放され、肯定的な錯覚をして生きる事が夢を叶えるコツ。

僕たちの過去に大きな影響を及ぼしたのは両親や先生など、幼少期に関わった大人達です。その為、ついつい自分は周囲の人たちに苦しめられている、と周囲の責任を追及したくなります。

でも、どんな出来事があったとしても、それを体験し感じたのは自分自身です。そして、「過去の囚われ」を通して現実を見ているのも自分自身。

まずは「現実は自分が創造している」としっかり認識する事が大切です。

自責で生きる。目の前で起きている現実は、自分が創造している事を自覚しなければ、その現実を変えていくことが出来ません。

「夢を叶えるスタート地点」とも言えるかもしれません。これが坂本塾の第1回目の講義でとても重要なポイントです。

 

まとめ:現実は変えられる

 

100人居たら、「現実」は100通り。

「Aという事実」は何通りにも別れて人々に認識されていきます。その認識を変えていくには、自分がどんな風に事実を歪めて認識しているのかを知る事が必要です。

それを受け入れ、許す事で、少しずつ見ている「現実」が変わっていきます。「現実」が少しずつ変わっていく過程は坂本塾を通して僕自身が体験してきた事。

自分を知る為には、たくさんの経験をしていくのか、または仲間の力が必要です。何故かというと、自分の解釈を通して自分を見ている為、死角が出来てしまうから。

経験を増やしていくと、1つの出来事に対して色んな見方が出来るようになります。すると、数学の公式の様にAはB、BはC、CはD、だからAはD・・・みたいに色んなものが繋がっていきます。

でも、それにはたくさんの時間が必要になります。

たくさんの時間を割かずに色んな解釈を得る為には、仲間からフィートバックを頂くのが効果的。100人居たら100通りの解釈が生まれる為、仲間が自分をどう見ているのかを聞けたら成長する糧となります。

坂本塾は自己を深掘りして、それを発表し、仲間からフィートバックをしてもらう場。言い換えれば、自分がどんな「現実」を創り出しているのかを知り、それを変えていく場所。だからこそ、自分が思い描く「夢」を叶えていける場所。

今回は「現実」というものを正しく理解し「自責で生きる」という事をテーマにお話ししました。次にあなたに知って欲しいのは、「意識が事実に影響を与えていく」という話です。

自責で生きられたら、事実さえも変えていくエネルギーを持てるんです。

詳しくはこちら。

なりたい自分になる特効薬|人の意識が物質に影響を与える事を信じますか?