経営者の役割から考える必要な資質とは?

経営者に必要な資質はいくつもあります。数を挙げるとキリがないですが、今回はその中から3つの資質についてご紹介したいと思います。

最大の成果を発揮できる組織づくり


仕事はひとりではできません。社員がいるからお客様の対応ができ、サプライヤーがサポートをしてくれるから継続的な供給ができます。

その中で大切な考えは1+1=2として考えるのではなく、1+1を3や4にするにはどのようにすればいいかを考えることです。

経営者の役割は、これを形にするための組織づくりにあります。社員ひとりでは果たすことができない仕事をチームで補完し、何倍もの成果を生み出せるチームを作り上げる。この資質が経営者には求められます。

これは社員の組み合わせ、取引先とのパートナーシップ、顧問やコンサルタントなど、社外関係者を含めた様々な力を結集し、どのようにすれば最大の成果を発揮できるかを考える組織づくりにあるのです。

数字から本質を捉える思考力


経営状態は全て財務諸表に表れます。業績がいい時も悪い時も、数字は嘘をつきません。ただ、数字だけを見ていては業績が良い、悪いの表面的なものしかわかりません。大事なことは、数字の意味を理解することです。

具体的には、なぜその数値になったのか。現在その数値であることは、将来的にどのようなことが考えられるのか。今月から取っていくアクションは継続なのか、変化なのかを予測する力です。

このような数字から本質を捉える思考力は、経営者にとって必要な資質です。実行力やリーダーシップ力も経営者に必要な資質ですが、資金面のコントロールと合わせて、財務面から冷静に数字を見ることができる能力も、経営者にとって必要な能力なのです。

会社の方向性を示す統率力


社員が仕事に不安や迷いを感じることの一つに、会社の方向性がわからないということがあります。経営者は自分の意志、会社の方向性を示し、自分たちはどこに向かうのか、なぜ今これを行うのかを明確にしていくことが必要です。

その先頭に立ち、組織を引っ張っていくのに必要な力が統率力です。外部環境、内部環境を把握し、ビジョンを描き、その方向性を社員に共有することで、組織は一体となって活動できるようになります。

影響力の大きい経営者ほど、実務的な能力だけでなくビジョンを明確にし、組織全体を一つの方向へ導きます。「自社は何のために存在し、どのような社会貢献を目指し繁栄していくのか。これを実現するために、今このようなことを行っている」と言えるビジョンを描き、社員と共有することが組織の統率へと繋がっていきます。